HomePage >> こどもと喘息

質問:喘息のお薬はずっと続けるのですか

 気管支喘息の方に「長期管理薬」と説明すると、いつまでもお薬が止められない薬に聞こえてしまうかもしれません。お子さんの気管支喘息を診察している小児科医は、すべての先生がそう考えているわけでは無いと思います。

 JPGLによりますと、小児気管支喘息の長期管理薬は、症状が安定していれば3ヵ月程度に1度は見直す事が提案されています。私もこれに従って、定期的に通院されている患者さんには説明しています。

小児気管支喘息の長期管理薬の減量の目安

 いつからお薬を減らすかについて、私が目安にしていることを書きました。私以外の先生は、それぞれ基準を持っておられるはずですから、以下の説明は、私個人の意見として参考に留めてください。

■ 無症状が3ヶ月続いている

 定期受診の際に、毎回小児ACTを回答していただきますが、最低でも20点以上が続いている。でも、私の経験的には、もう少し厳しく「22点以上」が続いていなければ、喘息の管理は上手くできていないように感じています。高得点が3ヶ月以上続けば、長期管理薬の見直しをします。また、夏などの発作が少ない時期や、幼いお子さんの場合は、3ヶ月待たなくても管理薬の見直しをする事もあります。とにかく定期受診で「小児ACT」の高得点を目指しましょう。

■ 来院時の聴診で、呼気終末まで喘鳴がない

 小児ACTで高得点が続いても、来院時にの聴診で喘鳴が残っていれば、管理はまだ不十分だと考えています。

 努力呼吸していただいて、呼気終末まで喘鳴がない事を確認します。幼いお子さんは、医師の指示が分からないことがありますので、「吹き上げ糸」などを使って息の続く限り吹いていただきます。これで全肺野に喘鳴がなければ、合格です。

■ ピークフローで自己ベストが続き、なおかつ日内変動が少ない

 小学校以降で定期受診されているお子さんには、ピークフローメーターを準備してもらうことがあります。その毎日の測定結果を日誌に記録していただいて、定期受診の際に見せていただきます。

■ 肺機能検査、測定値が予測値に近い。気管支拡張薬の吸入後、変動が10%未満

時間のあるときに、再度このページで説明します。

 肺機能検査が難しいお子さんは、RINTを行うこともあります。だいたい3歳から6歳程度のお子さんに実施することが多いです。これ以上の年齢は、肺機能検査(スパイロメーター)を実施します。

例外や他に考慮すべき事

 上記に私の減量の目安を書きましたが、他にも勘案することがあります。

■ 季節の変わり目

 減量を予定しているタイミングが、喘息発作の好発時期(春・秋)に重なった場合は、延期することがあります。夏は短め、冬は長めになりがちです。

■ 感染症

 肺炎や気管支炎などの感染症を併発している場合や回復直後は、減量しません。最低でも炎症反応や胸部X-pで浸潤像が消えるまでは待つでしょう。

■ 過去のエピソード

 過去に起こった喘息発作が、呼吸管理が必要であったり、意識を失う程ひどい場合は、上述の基準で減量するとは言い切れません。

■ 手術や大きなイベント前

 手術を直前に控えている場合も、減量しません。むしろ一時的に増量することもあるかもしれません。

 このようにいろいろな条件も考慮して減量するタイミングを提案します。むやみにお薬を長く続けるわけではありません。どうか心配なさらないでください。

所感

喘息を治療している先生の間で「長期管理薬をどうしたら患者さんに続けてもらえるだろう」と、話題になります。私は長く続けてもらうためには、いつ減量するか・中止するかを、あらかじめ説明しておくことが大切なのではないかと思っております。
 咳・喘鳴で辛い思いをしているお子さんに、お薬を拒むご家族は滅多にいません。いつ止められるか知らないから、始められないのだと思います。減量・中止のタイミングを決めるのは難しいことですが、目安をあらかじめ伝えておきましょう。


◎ アンケートにご協力をお願いします。

このページはあなたの問題解決に役立ちましたか?

選択肢 投票
はい 284  
いいえ 7  

◎ 閲覧状態

Counter: 21022, today: 8, yesterday: 14

◎Home >> こどもと喘息


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2018-04-23 (月) 12:34:30 (4d)