文責:西藤なるを(西藤こどもクリニック院長)
■ はじめに■ 風車をつかった診察気管支喘息は発作時の対応よりも、むしろ日常管理が重視されるようになってきました。発作による受診よりも定期的に受診されるお子さんが増えたわけです。月に一度、もしくは2カ月に1度しか来院されませんし、来院された時の診察がとても大事になってきます。
特に、無症状だけれども呼気で喘鳴が完全に消失しているかどうかを確認しておくことがとても大事になります。
ところが、子どもは「最後まで息はしっかり吐いて!」と頼んでも、幼いお子さんはしてくれないので小児科診療では一工夫しなくてはなりません。そこでこの玩具を用いた小児の聴診手技の向上を色々と考えておりました。
■ 吹き上げボール
呼期末まで喘鳴が無いことを確認するために、よく「風車を吹かせる」先生がおられます。私もこの方法をよく使っていました。しかし「フッ、フッ」と勢いよく吹くけれども呼気時間が短くて、普通の呼吸とちょっと違っている気がします。もっとしっかり最後まで長く息を吐き続ける玩具がないものかと思案しておりました。
■ 象さん吹き上げ糸
しっかり長く息を吐き続ける玩具として「吹き上げボール」があります。左の写真のような玩具です。こちらの方がむしろ自然な呼気を最後までしてくれるのではないかと、思っておりました。
たまたま立ち寄ったお店に、外来に来たお子さんのご褒美にピッタリの玩具がたくさんあったので、「吹き上げボール」をはじめたくさん買ってみました。
「吹き上げボール」は予想通りに、子どもたちは呼気を最後までしっかり息を吐いてくれました。しかし、年少のお子さんではボールを途中で落としてしまったりで、上手くできるお子さんは限られています。転がっていったボールを診察室で拾ってまわなくてはならず円滑な診察にも支障を来します。またこの小さなボールは小さなお子さんですと誤飲の恐れもあります。
ところが買ってきた玩具の中には「吹き上げボール」ではない他の玩具が一つ混じっていました。これが次に説明する「象さん吹き上げ糸(以後、象さん)」でした。
「象さん」はボールを吹き上げるのではなくて、3色に塗り分けられた糸が象の鼻に見立てたパイプを通ってスルスルと回る玩具です。何をするおもちゃか分からない子どもの前で吹いてみせると、とても面白がって最後まで吹き続けます(呼期末まで息を吐き続けます!)。
この「象さん」をみて、「これだ!これだときっと上手くいく!」と思ってしまいました。
また「吹き上げボール」の様にボールが転がっていく配ありません。下の表をご覧下さい。調べてみたのですが、3歳以上ならほとんどのお子さんで利用できました。
■ この3つを比べてみましょう。
それでは、風車と吹き上げボールそして象さんを使った聴診音の違いを比べてみましょう。 次のページへ >>
風車を使った診察・聴診音(fusha.mov) 吹き上げボールを使った診察・聴診音(ball.mov) 象さん吹き上げ糸を使った診察・聴診音(zousan.mov)